神経管欠損症

神経管欠損症とは、脳や脊髄のもと(神経管)が作られる妊娠の4週〜5週ころに起こる胎児の先天異常です。

「日本では、出生した子供の1万人(死産含む)に対して約6人の割合で見られます。
その発症には遺伝などの様々な要因が複合的に関係していて、葉酸を摂取することのみで完全に予防ができるというものではありません。しかし、一定量の葉酸を摂取することにより発症リスクを低減させることが報告されています。

欧米各国では神経管欠損症などの先天異常を防ぐため、1990年代に葉酸摂取を勧告しました。アメリカでは1998年より、パンやシリアルなどに「葉酸の添加」を義務づけたほどです。
こうした対策により神経管欠損症の発症率は減少しました。しかし、日本だけは現在も増加傾向にあります。

二分脊椎
神経管の下部に閉鎖障害が起きた場合をいいます。
二分脊椎の起きた部位では、脊椎の骨が脊椎の神経組織を覆っていないため、神経組織が障害され下肢の運動障害や膀胱、直腸機能障害がおきる事があります。
無脳症
神経管の上部で閉鎖障害が起きると脳が形成不全となり、これを「無脳症」と言います。
この場合、体は赤ちゃんらしく成長していますが、頭部はほとんど形成されません。
額から上の頭蓋骨が存在せず、さらに眼球の突出や欠落、口蓋裂なども見られることが多いのが特徴です。露出した神経組織は薄い膜で覆われ周囲の頭髪皮膚に繋がっています。
胎児期には生命機能を保つことができますが、治療法はなく残念ながら致死的と言えます。産まれた時に心臓が動いていたとしても、通常は生後短時間で死に至ります。
現在は、生まれる以前に診断することが可能で『無脳症』と診断されると人工妊娠中絶手術などが行なわれることが多いようです。

神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための『葉酸』の摂取に関する情報提供要領

厚生労働省は平成12年12月28日、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進についてという情報を提示しました。

その要旨は…

  1. 二分脊椎発生の原因が葉酸摂取不良によるものだけではないが、発生率の低減が期待できるので、周知されたい。
  2. 葉酸は体内での蓄積が少ないので、毎日の摂取が必要である。
  3. 1日あたりの葉酸摂取量が、360μg〜5000μgで二分脊椎の予防効果があるとされているので、食事からの摂取量を考慮し、サプリメントでは1日400μgとし、1000μg未満が望ましい。
  4. 摂取時期は、脊椎管発生時期が妊娠7週であるから少なくとも妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までとしている。
    一方、妊娠が判明してからの摂取でも効果が見られたとする報告もある。
前のページに戻る
ウィンドウを閉じる