男性不妊

男性不妊で行われる検査

男性不妊の検査には、問診、視診、触診、精液検査、ホルモン検査などがあります。
基本検査の後、精密検査を行う場合もあります。

基本的な検査...

問診
過去にかかった病気などの確認と現在の性交についてセックスレスや勃起不全(ED)などがないかを確認します。
視診と触診
精巣や精巣上体の大きさを確認し、不妊要因の有無を確認します。
精液検査
男性不妊の原因を知るために基本となる検査です。
自宅または病院の採精室で採取した精液を顕微鏡で観察し、精子濃度・運動率・奇形率などを調べます。
精液は病院から渡される容器に直接入れて、2時間以内に病院に出すようにします。採取する際、コンドームは使用しない(殺精子剤が入っている場合があるため)方がよいでしょう。病院までの移動の際は、精子の状態を保つため、人肌ぐらいの温度で持って行くようにしましょう。
精液の状態は、体調や精神状態によって変動しますので、検査結果が悪かった場合でもあまり悲観せずに3〜4日あけて何回か検査を受けてみましょう。
※ 精液検査における禁欲期間について
精液検査は、2日以上〜1週間以内の禁欲期間をおいて受けます。禁欲期間が短いと前回の影響で精子が少なくなり、逆に長すぎると精子の動きが悪くなります。
陰嚢部超音波検査
陰嚢部にゼリーをつけ、超音波のプローブを当てて検査をします。
精巣の容積、精巣の性状(精巣腫瘍の有無など)、精索静脈瘤の有無などを確認します。
尿検査
採尿して尿糖(糖尿病)、尿たんぱく(腎臓病)、赤血球や白血球の数を調べます。
白血球が多い場合、前立腺をマッサージした後で再度尿検査を行うこともあります。
ホルモン検査
男性ホルモン(テストステロン)・卵胞刺激ホルモン(FSH)・黄体化ホルモン(LH)・プロラクチン(PRL)などの量を測定する目的の血液検査です。
精巣の造精機能に異常がある場合、血中のテストステロンが低下し、FSHやLHが上昇します。FSH値の異常は造精機能障害、PRL値が高いと視床下部や下垂体疾患の可能性が考えられます。
【正常値】
テストステロン(男性ホルモン)250〜1100 ng/dl
PRL(乳汁分泌ホルモン)1.5〜9.7 ng/ml
LH(黄体化ホルモン)1.8〜5.2 mIU/ml
FSH(卵胞刺激ホルモン)2.9〜8.2 mIU/ml
染色体検査
血液中のリンパ球の染色体の検査をします。
男性不妊の2〜3%に性染色体や常染色体の異常が見られ、中でも特に多いのが「クラインフェルター症候群」で、この場合は精巣が大きくならず、男性ホルモン値も低下します。
上へ

精密検査...

精巣生検
精液検査の結果、[重度乏精子症」「無精子症」などが判明した場合に行います。
この検査で、精巣がどの程度機能しているのかを確認します。 精子の通り道に異常がある閉塞性無精子症では100%精子が見つかり、精巣そのものに問題がある非閉塞性無精子症でも、約40%の確率で精子を見つけることができます。
この検査で精子が見つかれば、通常はそのまま凍結保存 ⇒ 顕微授精となります。また、精子が見つからなくても、後期精子細胞(精子になる一歩手前の段階)があれば、それで顕微授精をすることもできます。
精管精巣造影検査
精子の通る道に異常がないかを調べる検査です。
精巣では精子が正常につくられているのに、精液中に精子がいない状態は、精子の通る道に通過障害があることが考えられます。陰嚢の上部に局所麻酔をして1cmほど切開し、精管に造影剤を入れてX線で撮影します。精管の状態が鮮明に映し出され、詰まっている個所を見つけることができます。
抗精子抗体の検査
抗精子抗体とは精子に対する抗体のことで、男女それぞれにあります。
その抗体が精子の尾部に結合すると、精子の運動性がなくなり、精子の頭部に結合すると精子の受精能力が失われます。
女性にある場合、送り込まれた精子を異物と判断し、排除しようとします。
精液培養検査
精液中に白血球が多く存在する場合、ウイルスや病原菌などに感染している可能性があるため、この検査でクラミジアなどの性感染症や大腸菌などの細菌の有無を調べます。
見つかった場合には、抗菌剤や抗生物質などの薬を投与して治療します。
遺伝子検査
非閉塞性の無精子症や高度の乏精子症の方のY染色体の微小な欠失、先天性の精管欠損症で嚢胞性繊維症の責任遺伝子との関係を調べる為に行います。
精子生存性検査
精液中に動いていない精子が多数存在する場合に行われる検査です。
精子の生死を判別します。
精子尾部検査
精子の尾部に異常がないかを調べる検査です。精子生存性検査で生きていることは確認できているが動かない精子が精液中に多数存在する場合に行います。
この検査は精子の運動をつかさどっている精子の尾部を電子顕微鏡で観察し、構造に異常がないかを調べます。
ハムスターテスト
精子に受精能力があるかを調べる検査です。
透明体を除いたハムスターの卵に精子が侵入できるかを調べ、精子に受精能力を調べます。
アクロビーズテスト
精子の先体機能と運動性を調べる検査です。
結果が陰性の場合、自力では受精ができませんので、顕微授精の対象となります。
HOS(ホス)テスト
精子に受精能力があるかを調べる検査です。
精子は浸透圧の低い液の中に入れると尾部の構造が変化します。このことを利用して受精能力の有無を調べます。
顕微授精の際、動いている精子が見つからない場合に精子の生存を判定するために行います。判定後、生きている精子を選択し、再び浸透圧の正常な液の中に戻して形を戻し、そのまま顕微授精に用います。
尿中精子検査
精子が膀胱へ逆流していないかを確認するための検査です。
おもに無精液症や精液減少症の場合に行います。射精後に採尿し、精子の有無を調べます。精子の数が多い場合、「逆行性射精」の疑いがあります。逆行性射精の場合、人工授精を行う事で妊娠は可能です。
上へ

その他の検査...

フーナーテスト
精子と女性の子宮頚管粘液との相性を調べるための検査です。
医師が指定した日(排卵日を目標)に性交し、数時間後に女性の子宮頸管粘液を採取してその中にいる精子の数や活動状態を確認します。
男・女それぞれの体調により結果が左右されることがあるので、検査結果が悪くてもあまり悲観せず、数回の検査を行いましょう。
数回行い、すべての結果が悪かった場合に、はじめて「不良」と判定されます。
※ フーナーテストにおける禁欲期間について
精液検査と同様に、2日以上〜1週間以内の禁欲期間をおいた方がよいでしょう。